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南柯そう/仲村のなんとかその日暮らしログ

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2024年9月28日 この範囲を時系列順で読む

PS5版「聖剣伝説5 VISIONS of MANA」クリア感想

PS5版「聖剣伝説5 VISIONS of MANA」クリア感想

クリアタイムは42時間ちょっと。最後の隠しボスは未達でいったん区切り~。



いや~、楽しかった! 良かった~~~~。

2Dドットがまだメジャーな時代からアクションRPGを標榜していた聖剣伝説シリーズが、2024年の今のゲームにふさわしいブラッシュアップがなされて世に出されたな~、という感想です。これは3のリメイク作である「TOM」をプレイしたときにも実感したことではありますが、リメイクではありながら「元のSFCゲーム」にしっかり軸足も置いていたTOMとことなり、完全新作としてさらにシステムや表現を突き詰めた最新作にふさわしい品質になっていたと思います。

やはりアクションバトルが良かったですね。爽快なアクションと操作性、さらに必殺技の使い勝手の良さもあって、ボタン触ってる間ずっと楽しかったです。

この辺で難を上げるとすれば、メニュー周りがちょっと使いづらかったかな。

移動中にショートカット的に使えるリングコマンドは、シリーズ定番要素とはいえ操作が結構繊細で、狙ったキャラ・狙ったアイテムが使えず結構終盤まで焦ることしばしば。さらにメニュー画面では、キャラの切り替えやページ送りのために複数のボタン操作しないといけないのが結構難しい。あとアイテムやスキル並び替え機能がなんか独特で、自分の位置を見失うことがよくありました。

あとは何より装備系かな。1キャラクターに複数の武器系統が用意されていますが、メニュー画面で装着できるのは現ジョブの武器系統だけで、「入手した武器を装備させておきたいが、そのためにはジョブ変更してから装備変更する」という工程を踏む必要があるのははっきりと面倒でした。ショップで買ったら勝手に装備してくれるんだけど、宝箱入手だとできないんだよね……そこはちょっとどうにかしてほしかったな~。

ストーリー面では「賛否はあるだろうけど、私は好き」というのが率直な感想です。「このシリーズが積み重ねてきたもの、でも現代においてやらないといけないこと」をまっすぐに見つめたストーリーだったなと思います。

私にとって聖剣シリーズは、ゲームボーイ初代からLOMまではほぼリアタイで遊び、4以降はほぼ手を付けていないくらいのゆるふわな接点しかないんですが、それでもまあ正直「様々な理由でマナの聖域を目指すパーティが、最後には誰かが身を投げ出して世界の安定をはかる展開をいつもやってるな」という印象はあります。

今回のVOMでは「この世界を安定させるために、人身御供をマナの樹に差し出すために旅立つことが恒常化している」という流れで始まった時は、「ではこの構図をひっくり返す展開をやるのか」と察したし、実際そういう展開になっていったのは納得しました。

ただこのVOMが世にある様々な「自己犠牲の否定」「生贄の否定」の物語の中で、なかなか特異な存在感を放つのは「主人公も含めた世界中の大半の人が生贄の制度に納得している」ということ。こう書くと何かグロテスクに思えますが、登場人物らは基本的に誠実で穏やかな人たちばかりなので、最初は奇妙な違和感があるのは確か。

しかし、そもそも聖剣シリーズでは、1の頃からヒロインが、2ではパーティメンバーの一人が、3では冒険の導き手であり常にともにいたフェアリーが、それぞれの世界の安定を図るために自身をマナの樹に変えてストーリーは終わります。そこへいくと、VOMで描かれた「この世界を安定させるために、人身御供をマナの樹に差し出すために旅立つことが恒常化している」とは、そもそも聖剣シリーズ全体を比喩した世界ととらえることもできるでしょう。

「なるほどな」と思いながらゲームを進行していき、興味深かったのが制度への否定の描き方。VOMではそれまで生贄になることに納得し責任さえ感じていた当人が、「それでもこの世界でやりたいこと」を見つけて穏やかに生還を志すさまが描かれます。望んで生贄になった人自身が旅を通じて己を見つめなおし、それ以外の生の使い方見つける工程は、ちょっとほかの物語ではなかなかみない過程だったと思えて非常に感慨深かったです。

そうなんだよな「生贄を望んでいる本人」が本当にそれを望んでいながら、他者が「そんなの嫌だ」と否定して構造を壊せば、生贄本人の意思はどこかに行ってしまう。そこに対して非常に誠実に、そして独特に描いて見せたのは、ずっとこのテーマを描いてきた聖剣シリーズならではじゃないかと思います。

これをやったおかげで次回作ではこのテーマやんなくていいしな! これ見れただけでもこのゲームやったかいあるな~と本当に満足しています。

とはいえ、難を感じていることもいくつか。

1点目は、やはり敵対勢力の存在感の薄さでしょうか。序盤をけん引するオーリンは「生贄制度に大事な人を奪われたキャラクター」として真っ向からテーマ性をえぐってきますが、中盤から入れ替わって登場するディオフォロスは「大事な人を奪われたキャラクター」くらいに要素が減ってて、おかげでオーリンより思想面で主人公らとの対立が少ない。なんかもう途中から「すまんやけど、お前さんが成仏してくれた方がこの世界安泰なんだわ」という気持ちがわくくらい、本当に都合の良すぎる敵キャラだったなディオフォロス……。

やっぱりそこはディオフォロスもまた同じ生贄制度、もしくは近しい制度に巻き込まれて哀しみを経験したキャラクターにした方が、主人公らとの対立構造やテーマの掘り下げもできたんじゃないかな~。

2点目は、ヒロイン・ヒナの顛末。ここまで描いておいて、それでもヒナは生き残らせなかったんかーい!!!! マナの樹に身をささげることはなかったかもしれんが、それでも「ヒロインが実質死ぬ」「パーティメンバーが実質死ぬ」のはシリーズの定番展開なんですよ!!!! ここはな~、「シリーズを踏まえつつも、シリーズの展開にケリをつけたい」というコンセプトを感じるVOMなら、なにがなんでもパーティメンバーは生き残らせるべきだった、と個人的は思います。

この辺もあって、終盤からは徐々に薄味に感じる場面も。うーん惜しかったな。

思うところはありますが、非常に良いゲームだし、これを発展させていってほしい~。マジで次回作頼む……!!

2024年9月27日 この範囲を時系列順で読む

最近買ったもの「オムロン 低周波治療器」

最近買ったもの「オムロン 低周波治療器」

年がら年中肩凝り腰痛持ちの我、ついに低周波治療器を買いました。我が家に来て一週間経たないくらいですが、すでに手放せなくなってる。

低周波治療器 HV-F022-V ラベンダー

微量の電気を流して筋肉を収縮させて凝りをほぐす機械なんですが、最初に想像したよりずっと「揉む、叩く、ほぐす」という感覚が再現されててすごい。

一回15分だけの利用ですが、それまでガッチガチの肩や背中がふにゃっふにゃになる。これを人間の手でやるとまあまあ体力使いますが、手のひらサイズの小さな機械が勝手にやってくれるのすごい助かる〜。

使い方としては特に準備もなく、パッドを皮膚に直接貼り付けるだけ。昔使ったことあるこの手の機会は専用のジェルを塗ってたんですがそういう準備一切なし。しんどくなってきた幹部にベタッと貼ってスイッチ入れたらよし。

本体が持ち運べる大きさなので、幹部によってはつけながら移動や作業もできる。コードはちょっと短めなので、背中の真ん中あたりに使ってるとたまーにコードが身体に引っかかる以外は本当に不便がない。

寒い時期になると、筋肉のこりからギックリ腰に発展してしまう人種なので、これでどうにか今年の冬は乗り切りたい……!!!

2024年9月12日 この範囲を時系列順で読む

CLAMP御大が画材の話をしている

CLAMP御大が画材の話をしている

うおおおおお歴史資料ーーーーー!!!!





長い経歴の作家さんなもので、これ自体が近年の漫画向け画材の歴史にきこえるし、作品の世界観に合わせて画材や技法に凝っているのもひしひし伝わってきて、ほんとうに一級資料だなって。

全人類聞くべし。

2024年9月8日 この範囲を時系列順で読む

PS5「聖剣伝説 VISONS of MANA」プレイ3日目

PS5「聖剣伝説 VISONS of MANA」プレイ3日目

プレイ時間21時間ほど、6章途中。

いよいよ世界の真相などが見えてきてやること固まってきた感じ。ちょいちょいボス戦などではトリッキーなルールが適用されるなどして楽しいですね。

あと、パーティメンバー5人揃って、あれこれ考えてパーティ組むのが楽しいでんな。基本的にモートレアを使ってるので、ボス戦だったら補助と回復でヴァルとジュリかなとか、弱点属性がわかりやすいならパルミナかなとか、雑魚戦はほぼずっとカルナ入れて掃討していただいてます。

属性づけがまた悩ましいなー。スキル前提につけてますけど操作性とか見た目もこだわりがあって、グルグル変えてます。

ともかくゲーム部分が爽快でたのしい。ストーリーはずっと重たいけど……。

楽しいけどぼちぼち終わりも見えてきて、なんだか寂しい。良いゲームに出会った時は大体この気持ちになるんですが、今回もそんな感じです。

2024年9月7日 この範囲を時系列順で読む

PS5「聖剣伝説 VISONS of MANA」プレイ2日目

PS5「聖剣伝説 VISONS of MANA」プレイ2日目

原稿期間につき週末しかゲームしないと決めてます。

プレイ時間は15時間ほど、ずっと4章進めていて5章入ったあたり。前回のプレイ中に1章から4章冒頭まで進んでたこと思うと4章長かったな〜。

徐々に話が込み入ってきて、「マナの樹を目指して旅立つ」だけではない話になってきました。

ショックな離脱を経て、現在は5人パーティ揃ったところ。個人的に操作しやすいモートレアをメインに、あれこれスキル考えて組み合わせるのが楽しい。捨てキャラいないのが嬉しいですね。

これは初日から思ってたけどカメラの視点が気持ち下すぎて、疲れてくるとちょっと酔う。画面設定からカメラ位置を遠目にしてるけど高さが変えられるわけじゃないので、あんまり対処法が浮かばずー。まあどうにかこうにか進めてます。

過去の聖剣シリーズのオマージュが多くて意欲的だなあと思う一方、LOMからのキャラクターが多数出てきてて、当時は異色作と呼ばれてた覚えありますが多大な影響を与えてますね。

話がどんどんえらいこっちゃになってるので続きやりたいけど一旦休むー。

2024年9月1日 この範囲を時系列順で読む

PS5「聖剣伝説 VISONS of MANA」プレイ1日目

PS5「聖剣伝説 VISONS of MANA」プレイ1日目

わーい久しぶりの据え置き新作だーいと予約して買ったVOM。少し前に遊んだ、3の移植作であるTOMが非常に好感触だったので、今回も期待大でした。

現在はプレイ時間9時間くらい、水の精霊に合流できたあたり。

聖剣伝説って2以降は見た目のポップさもあってほのぼのしたRPGに見えるけど、1(FF外伝)は奴隷の闘技場から始まるし、2も軽率な行動から故郷を追い出され、3はどいつもこいつも悲劇から始まるから、割とダーティな感触で。

そこへ行くと今作は、プロローグでは「マナの樹に命を捧げるって本当にいいことか?」と、シリーズのお約束展開に切り込んでいる。

聖剣シリーズ、だいたい最後は親しいキャラクターがマナの樹になって、新たな世界を見守りますとさめでたしめでたし……だもんな。

その一方で、メイン主人公らは「名誉ある役目」をもらって前向きな雰囲気で旅する様がどんどん不穏になっていく。どこかでひっくり返される予感がビシバシする。

まだまだ始まったばかりで何もわかっちゃいないけども、これからが楽しみです。

2024年7月3日 この範囲を時系列順で読む

6月を振り替える

6月を振り替える

ずっと倒れていた記憶しかない。

5月末にコミティア終わって、すぐに私生活が忙しくなる予定があったんですけど、でもそれは予見されてたことなのでノーカン。

しかしその忙しいさなかに食あたりを起こしてしまい、丸一日、嘔吐と下痢を起こしてぶっ倒れる。

数日で収まったものの、いうて胃腸にダメージが残ってるのか、それから2週間ほどちょっと何か食べるたびすぐにお腹を壊す。

まだ胃腸にダメージが残っている段階でにじGTAがはじまり、それからの10日間の平均睡眠時間が3~4時間くらいになる。悔いはない。



にじGTA、楽しかった~。心がまだにじサントスにいたがってる。

開催中の頃にどんだけ切り抜きやアーカイブを見ても「これは現在進行形で動いている物語の一部」と感じて見れてたが、いまそれらをみると「こんなこともあったな。懐かしい」ってちょっと思っちゃってる。終わってしまったことがさみしい。

心身が落ち込んでるときに活性剤のごとく奮い立たせてくれました。ありがとう、にじGTA。

2024年6月1日 この範囲を時系列順で読む

映画「マッドマックス:フュリオサ」見てきたぞ

映画「マッドマックス:フュリオサ」見てきたぞ

2015年に世界の映画史を塗り替えた「マッドマックス 怒りのデスロード(以下FR)」のスピンオフだーーーーーーーーー!!!

荒れた大地とすみわたる空の下で、美しく精緻な構造と色彩で彩られ、血とガソリンと爆発の中で誕生する英雄フュリオサの始まり。

前作FRでは監督自身が「一つのチェイスで繋がる映画を撮りたかった」というだけあってとにかく展開が止まらない作品でしたが、フュリオサは6章からなる物語で作中時間も15年かかっておりかなり趣は異なります。

バイオレンス描写ははっきりと増えてます。元々相当に殺伐とした世界観ではあるんですが、FRではスピード感が凄すぎてパッと流れちゃってたようなものが、本作は普通に正面から撮るので苦手な人は要注意。

前作ではかすったくらいだった世界描写も、今作ではそれが本旨かなってくらいにあの世界の街の様子が正面から描かれていて楽しい。

あんなに殺伐とした終末世界なのに、どこか歴史と文化の重厚さも感じる手つきは、同監督の「アラビアンナイト 3000年の願い」と彷彿とさせます。西アジアの煌びやかで崇高な文化が、マッドマックスの世界にも生きているんだなあ。

で、ストーリーはガッツリFRに接続するし、不屈さと希望を感じる終わり方にグッとくる。

「何者にも屈しない」と面一発で語るフュリオサの瞳が印象的で、それでいてその所作は冷静沈着そのもの。なんかねーほんとこの一切の無駄をと怯えを感じない立ち振る舞いに見惚れちゃうんだよね……こんなん好きになっちゃうよ!!!!

その一方で「こんな目に遭ってるのに故郷は……」と後の展開を思って泣けてくる。涙を流すシーンはいくつかありますが、彼女が慟哭するのはあのシーンだけなんだ……。

そう、今回の映画でわかったのは、フュリオサ自身の復讐はここで一旦けじめがついてること。イモータンジョー自身にも多少の恨みはあるとしても、彼女がFRで逃避行を選んだのは、決して恨みだけじゃなかった。

彼女は母との約束、故郷へ帰ることを渇望してたし、それは彼女の生きる理由そのもので、生きたいからこそ囚われの子産み女たちを引き連れてFRの旅は始まった。

フュリオサが、逃亡の手伝いになるとはいえない彼女らを連れ出したのは、復讐の果てに見つけた「我欲の成れの果て」に向き合ったからだろうか、と。

エゴ以外の何かを連れて、生きるために逃げ出す。それは英雄と呼ばれる素質なんじゃないでしょうか。

エンドロールを見ながらそう考えて、なんだか心が元気になりながら帰ってきました。

2015年、マッドマックスFRは前知識なしに日本での封切り日翌日に見て、そこから半年くらいずっとこの映画のこと考え続けるくらいに刺さってしまった時代の大傑作だと思っています。

観たその日はずっと「うわ、これからはこの映画がある世界なのか」「これから生まれるあらゆる映画や創作物は、この映画と比較されてしまうんだ」とぐるぐる考えてしまってたのを覚えています。

その後、世間でもこの衝撃が伝わり、カルト的人気を誇るわけですが、あの時まだ誰の感想も評論も見ないままに映画観てショックを受けたのはほんとに得難い体験でした。

あの時の衝撃は今もあるし、実際やっぱり「変わった」実感もあって、時代を目の当たりにできたこと誇りに思っています。

フュリオサも一本で楽しめる映画ですが、是非ともここからマッドマックス怒りのデスロードも見て欲しい。これが世界を変えた一本ですよと。

2024年5月26日 この範囲を時系列順で読む

コミティア148お疲れ様でした!

コミティア148お疲れ様でした!

先ほど帰宅して最低限の片づけしてこれ描いてます。

気が付けば新刊の予告だしてなかったや……今回、予定していた構想の話がまとまらないし、やけに風邪ひくしでいつも以上に製作時間がなかった……

イベント楽しかったー。どんなイベントでも参加するとなんかのパワーをもらってると思う。

そんなイベント新刊ですが、事前に予告していた通り全文アップしてきました。良かったら読んでもらえると嬉しいです。



次は11月のコミティア150に申し込み予定です。スペースもらえるといいな。

#同人活動

2024年5月1日 この範囲を時系列順で読む

ホルベイン絵の具の新色欲しい侍

ホルベイン絵の具の新色欲しい侍



最近絵の具欲しいしかいってないけど欲しいから仕方ない

うきーーーーーほしいいーーーーーーー

2024年4月29日 この範囲を時系列順で読む

ARG「かがみの特殊少年更生施設」をプレイしました

ARG「かがみの特殊少年更生施設」をプレイしました

うおーーーークリアしたーーーーー!! 丸2日使ったーーーーーー!!! そんなことしてるばやいじゃないのに!!!!

愛宝学園かがみの特殊少年更生施設

リンク先は一見よくある施設案内のウェブサイトに見えますが、フッターには「このWebサイトの内容は考察コンテンツのために作られたフィクションであり」と但し書きがある通り、施設自体がフィクションです。

このページを閲覧しながら気になるワードをピックアップし、右上の検索フォームを使って隠されたページとこの施設の謎に迫る、という謎解きゲームです。

なかなか説明が難しいゲームなので、詳しくはこの辺読んでください。

実在するWebサイトを舞台としたミステリーゲーム『かがみの特殊少年更生施設』が無料公開 ― サイトは120ページ以上で構成。最深部である“LEVEL10の機密情報”にアクセスし、施設の秘密に迫れ(電ファミニコゲーマー)

実在するサイトを調査して,最深部の機密情報にたどり着け。体験できるモキュメンタリー映像「かがみの特殊少年更生施設」,本日公開(4Gamer.net)

ざっくり見ている分にはまあよくある施設案内……とみせかけて、特に生徒作品群を中心にざわざわとした不安が現れ、よくみると……? と思ったころにはぐいぐい引き込まれていました。

ページ中にヒントらしいヒントは多くないので、詰まる人はたぶんすぐ詰まる。そんなときは公式にアップされているこちらの動画を見ると、序盤の主な謎解きと基本の考え方が説明されているのでぜひどうぞ。最初に見た時は思ったより踏み込んでいるのでネタバレかな? と思いましたが、振り返ってみると全然序盤です。



また本企画に関連したXアカウントが開設されています。一見関係のないアカウントに思えますが、サイト情報を探っていくうちにその重要性もわかるでしょう。



必須な情報は上のYoutube動画とXアカウントくらいで、部分的に一般的な知識が必要になりますが、サイト情報を元にネット検索するとパッと出てくるレベルです。とにかく必要なのは「このワードでサイト内検索したら何かが出てきそうだ」という勘。この感じは非常に現代的だな~と感心します。

あと、公的機関にしばしばある雑なパソコン知識と雑なネットセキュリティのパロディみたいで、進めていくとちょっと笑える。

こういった構造だからか、いつ始めてもいいし、いつ中断してもいい。セーブもなく、ただただプレイヤー1人1人の「観測」し「知る」ことで何かが進展していく。果たしてその先にあるのはなんなのか?

なんとも得難いゲーム体験でした。

2024年4月28日 この範囲を時系列順で読む

今年一番笑った動画暫定一位

今年一番笑った動画暫定一位



つい先日公開された動画ながらにすでに何周も見ており、そして同じとこで何回も笑う。



酔っ払いがクイズ参加してはちゃめちゃになるというと、この動画も好き。

2024年4月27日 この範囲を時系列順で読む

映画「陰陽師0」を見てきたよ

映画「陰陽師0」を見てきたよ

原作やコミックは未読でうすらぼんやりタイトルは知ってる程度ですが、多分これあんまり原作関係ないやつですよねそれはわかる。

陰陽道と言いつつ、現代人にも理解しやすい科学的な視点で分解し、でも作中でハッタリ利かすところは利かしてみせる(集団催眠てそんな長時間かかるか?とか)というバランスが良かったですね。

視覚効果が強調されてる予告でしたが、使い所は限定的で短めで、スペクタクル感は思ってるよりは弱く感じました。中盤の大立ち回りもワイヤーを駆使して大きく動く割に、微妙にカメラに収まっておらず迫力不足でもったいなかったな。

それよりも、大きなセットやロケを多用したドラマパートが楽しかったなあと。もっとミステリーパートを長くして、あの学舎や街並みの中を彼らが行き交う様はもっとたくさん見たかったな〜。

それと衣装の使い方が良かったですね。身分の高いものは分厚く濃い色の服を着て、低いものほど布がくたびれた質感になっており、後述する安倍晴明の異様さも衣装で演出されてたように思います。

あとは何より主人公安倍晴明とその相棒の源博雅のキャラクターが魅力的。

晴明を演じる山崎賢人氏は、これまでは活発な青年役が印象的でしたが、感情の起伏が小さく抑えた演技も良かった。

アクションも上手い俳優さんながらに華奢な人だなと思ってましたが、本作ではその細さがキャライメージにも合ってました。周囲と違って一人だけ体の線が出やすい衣装なのも、その性質をより際立たせていて上手い演出でした(周りの男性陣は肩や胴回りをふっくらと厚みを出す構造の服なのに、晴明は肩から腰にかけてストンと落とした衣装)

染谷将太氏が演じる博雅の、情緒に溢れたキャラクターとのバディ感が気持ちよく、この2人の化学反応は本作一番の見どころと言っていいでしょう。

次回作があるかどうかはわからないところですが、彼らの表情やドラマに注目したものだったら良かったな〜と思うくらい、ずっと見ていたくなるコンビ感でした。

劇場版『名探偵コナン100万ドルの五稜星』を見てきたよ

劇場版『名探偵コナン100万ドルの五稜星』を見てきたよ

原作は飛び飛びで読み、劇場版はゼロの執行人から見始めるというミーハーですよろしくお願いします。

正直そこまで期待して見てるわけでもないんですが、「とにかく派手な絵面と展開でドカンドカンを安定してやってくれる」という一点で毎年楽しみです。

そんな私はゼロ執や黒鉄よりも、今年の方が好きかな〜。

絵的に派手なのは名前あげた作品たちなんですが、この辺は派手さ優先で元々薄い話がさらに薄く話が前後で繋がっておらず、それでいて当番回のキャラには大きく尺をとって魅せようとするから、唐突に心理描写が始まるな、と感じて個人的にはそこまで評価が高くないです。

今回は、謎解きはあくまで物語を駆動するための装置で、半ば都合よく次々明かされていきますが、やりたいのはそうやって展開が動く中でのドラマ部分だと受け取りました。

キッドと警察の関係、ゲストキャラの人物関係、そして服部とコナンとキッドの距離感。やや情報過多ではありますが、ドラマを繋げて、ここにしかない場に到達しようとしてる点は評価したい。

あと、函館警察vs外国人マフィアvsテロリスト24時!!!って感じで、街中で発砲も爆発起きるし、完全に函館の街が抗争状態なのに登場人物らが誰も気にしないのが狂ってて良かったですね。

いや気にしろよ。今更コナン世界にそこいってもしょうがないんか……。

とはいえ、「函館に眠る宝」の真相は好みでした。こんな諍いの結末は、恐ろしく無為であるべきだ。

ラストで明かされるとある設定は、「ん??あれ??これ既出????」と思わず調べましたが初出情報らしい。劇場版でそんなことするのかーとちょっと驚き。

来年も見まーす。

映画「ゴジラxコング 新たなる帝国」を見てきたよ

映画「ゴジラxコング 新たなる帝国」を見てきたよ

我らがモンスターバースの最新作が出たぞー

ご存じゴジラさんを中心とした怪獣サンたちが集結!! 地球の覇権を狙う新たな怪獣たちとどったんバッタン大騒ぎ!!

とにかく怪獣が暴れてくれたらいいんじゃい!!っていう映画ですが、実際に映画館で隣になった小学生くらいの男子が、ゴジラの登場シーンで「かっこいい……」と呟いてたの良かったです。

個人的には、ゴジラやコングはカッコいいけど、敵役の怪獣が毎回ちょっとダサいのが辛いなと。

今回の敵役「スカーキング」は過去にゴジラとも戦い封印された強敵ですが、やってることがせこい。暴力で支配し、子供や年寄りコングたちを虐め抜き、自分以上に強い古代竜を従えることでようやく上位に立ってるだけで、めちゃくちゃ小物なんだよな〜。

こういうのは敵役にもかっこよさや格の高さを見せてほしい〜。

あとこのシリーズのゴジラはモスラにはちょっと頭が上がらないタイプで、勢い喧嘩初めてもモスラさんの仲介で待ってくれるが、そこもちょっとゴジラの格を下げてるように思えて好みではない……いや歴代のモスラにそういう要素がないとは言わんがー。

総じて、「人類の意に沿わず、人類文明を破壊しうる暴力装置」を信じてるようで信じてないというか、「どこかで制御できるものである」と考えてる感じが怪獣に対する解釈と違うなと。「どうやったって襲いくるもの」という側面に、ひたすら目を瞑ってる感じが危なっかしい。

そんな怪獣サンを上位存在に置き、人類の文明や人類がどんだけ毀損しようとも構わないガンギマリ人類組織のモナークが本当に異様。

一応ゴジラもコングも人類を守ってくれてる風だけど、でも全然こいつらも都市を大破壊しまくってるんで、これを守護者として仰いでるモナークまじ過激派異常集団なんだが、作中で「人間も食物連鎖の一つ。怪獣はそのことを思い出させてくれる」というセリフがありますが、その割に怪獣たちのコントロールも志向してるように見えて、どうにも作り手の欺瞞を感じる。

今作でちょっと面白いなと思ったのが、「発声」以外のコミュニケーションが多く表現されてたこと。

主人公の博士と娘は手話で会話するし、地底文明の人類やコングたちとはほぼ身振り手振りで会話する。それでも映画を見てる側にも何を言ってるのか、やりたいのかが伝わってくるのは、異文化や異種族を描く上で効果的な演出だなと。スターウォーズシリーズでもよくありますね。

考え方の違いは感じますけど、でも怪獣たちが躊躇なく建造物を倒しまくって大暴れする様に惹かれる気持ちはよくわかる。次回作があるかはわからんけどどこまで行くのかは気になるシリーズです。

2024年4月26日 この範囲を時系列順で読む

クサカベの新色絵の具欲しい侍

クサカベの新色絵の具欲しい侍



うきー欲しいー

コミティア原稿終わったら買うーーーーー

あとさらに言うと作業机がもう一つ欲しい……絵の具広げる用とパソコン置く用で二つ。そんな広げて活用できるのかって言われそうだが、使える机が広がる分には良かろう、たぶん。

2024年4月18日 この範囲を時系列順で読む

日本一絵が上手い人たちが還暦過ぎてもまだ諦めてない

日本一絵が上手い人たちが還暦過ぎてもまだ諦めてない

「<祝アカデミー賞受賞記念>アニメーション映画『君たちはどう生きるか』を、 日本最高峰のアニメーターはどう語るか!? 特集 feat. 井上俊之」!!
今なお大ヒット中の、宮崎駿監督のアニメーション映画『君たちはどう生きるか』。この作品に、アニメーターとして参加した“井上俊之”さんに、その制作の裏側ではどんなやりとりがあったのか、どんな現場の苦労があったのか?
など、超・超・貴重なお話、伺っていきます!




ほっほわ〜〜〜〜〜日本アニメの大傑作かつその映画見た人なら絶対印象に残る超シーンばっかり描いてる井上さんが、まだ自分の仕事に納得できないっていうてらっしゃる〜〜〜〜〜〜

って正座しながら泡吹いて倒れてたら、

ほげえええええ宮崎監督がまだ世の中の作画の定石のない演出にチャレンジしてるうううううううう

って気絶する。

聞いてるだけで背筋伸びるし学びの大きい回で、井上さんの語りもお人柄も本当に素晴らしい。

2024年3月24日 この範囲を時系列順で読む

ブラウザ版「ネタバレが激しすぎるRPG―最後の敵の正体は勇者の父―」を遊んだし実況動画を無限に見てる

ブラウザ版「ネタバレが激しすぎるRPG―最後の敵の正体は勇者の父―」を遊んだし実況動画を無限に見てる

本当にずっと実況動画みてる。10人は確実にみてる。

https://www.freem.ne.jp/win/game/30422

ブラウザで遊べるフリーゲームで、タイトルからギョッとしてたら開始5分でツッコミ満載バカゲーwwwってなるんですが、いざ物語が始まってみるとストーリー構成が非常にしっかりしてて引き込まれます。

元々ゲームの実況動画で知って自分でも遊びましたが、自分も含めたプレイヤーみんなが反応するタイミングやその中身がある程度一致しており、シナリオ誘導が的確で上手い。

ギャハハと笑っていたら、予想以上に生っぽいキャラクターたちのドラマを通じて、気づけば思いもよらないところに連れて行ってくれる。それでいてちゃんと「ネタバレ」のルールはきっちり守ってくれる。事前の期待を超えてくるストーリーを楽しめます。

これだけ引き込まれる要素として、大きなドラマでも小さな会話でも人の感情を揺さぶり、笑いや驚きといった感動を引き出す力が強いし演出や構成も「正確」なんでないかなと。

その結果、一度でも遊ぶと他の人が初見でする反応が予想できつつ、細かいところは人によって分かれるので、非常に実況向きに思いました。配信者の間で人気が出るのもわかるー。

実況動画を立て続けに見てもそれぞれの反応を見る楽しさがあるし、あとやっぱりストーリーの構成がすごく強いので、盛り上げどころで毎回うおおおってなれる。

(とはいってもゲーム自体は昨年4月配信で、人気が出始めたのは今年に入ってかららしい。アマチュアのフリーゲームの難しさだな〜)

また、実際にプレイヤーとして遊んでみると、ボス戦で毎回工夫があってゲームとしても楽しい。「ネタバレ」がテーマとあって、敵が繰り出す大技もある程度予想ができつつ、でも喰らうとしんどい、じゃあどうする? という駆け引きが要所で発生する。

よく考えたらこの「敵の行動がなんとなくわかるので対策を取る」とは昨今のコンピューターゲームの特にボス戦だとよくあるるやつですが、「ネタバレ」という本作のコンセプトと非常に相性が良くて、ゲーム体験をグッと良くしていると感じます。

素直に遊べば3時間程でクリアできますが、ストーリーの楽しさや歯応えあるバトルなど、非常に密度高いRPG体験できる作品でした。

2024年3月23日 この範囲を時系列順で読む

シュミンケホラダム(水彩絵の具)に新色追加!

シュミンケホラダム(水彩絵の具)に新色追加!

ほちい~~~~~~!!! なにがなんでもほちい~~~~~~!!!!



以前に限定色として展開されたときに、いくつか買い逃した色が定番ラインに追加されたので全力で買いに行く~~~~~~~~。円高の影響をもろに受けがちな絵の具界隈(舶来品が多いので)、いま買うのが一番安いまである。

買うだけじゃなくて使えよ……そうだね……まだ未開封の限定色や水彩紙が引き出しにいっぱいある……。

どうにかして水彩絵の具を触る時間が作れないかなとは思っているんだけども、道具の入れ替えが……やはりもう一つ机を買うしか……スペースがないけど。

PBWの作例サイト作りました

PBWの作例サイト作りました

去年からちょこちょことイラストレーター活動を始めて、見かけたサービスに手を出してたら制作物が結構な数になっていたので、作例集としてまとめてみました。まだ納品物の少ないサービスも多いので、だいたいの絵柄や傾向がわかればいいなと。あと自分としても達成感ある。

https://naaankaso-pbw.tumblr.com/

PBW(プレイバイウェブ)の定義は色々あるんでしょうけど、おおざっぱに「ブラウザ上で展開できる交流ゲーム」なのかな。TRPGのようにプレイヤーが行動を提案し、それにゲームマスターが返答してシナリオを進める形式をベースに、コンピューターゲーム要素もあるものもあれば、世界観やゲーム性もさまざまです。

自分も一時期ちょこっとかじっていたこともあるんですが、やっぱり自分が作ったゲームキャラクターにイラストやシナリオを起こしてもらえるのは格別の楽しさがありましたね。その楽しさに、自分の技術が少しでも寄与できればいいなあ~、と思いながら制作しています。

あと、近年の同人誌は主にオリジナルで製作しているのもあって、PBWの「ほかの人が作ったキャラクターを形に起こす」は二次創作にも近い感触もあり、使ってる頭の部位がそれぞれ違う感覚があります。そういう意味でも刺激がある活動だと感じています。

2024年3月11日 この範囲を時系列順で読む

PS5「FF7リバース」クリアした

PS5「FF7リバース」クリアした

クリアタイムは75時間くらい。探索と討伐は全部拾って、クエストはミニゲーム系残して9割消化。隠しボスは未到達。

結果的に、楽しかったなー。泣きたいくらい楽しい旅路だった。



なお、筆者は「FF7リメイク」および「PS1版FF7」クリア済みのため、以下はそれらの話題も出ます。



前作リメイクではミッドガルという狭くも魅惑的な一都市を舞台にした展開でしたが、本作リバースでは一転してフィールドマップを持ち、街から街へ、大陸を渡って旅する広大な旅が描かれました。

正直ねー、序盤から長いことこの仕組みがおもんなかったです。というのも、マップ広すぎ、移動大変すぎ、ミッドガルは見てるだけで楽しい密度の高い都市でしたが、リバースのマップは洞窟とか草原とか似たような景色が延々続くシーンも多くて、歩いているだけで楽しい感じはなかなか短い。

ブレワイのようにあらゆる地形を踏破できるわけではなく、細かい起伏はダッシュかパルクールで乗り越える必要があって、それでいて直接移動できない地形も結構な量がある。行けそうな段差かなとトライしては回り道することもあれば、さっきこの高さ登れなかったしと思ってたら実は登れたりと境界線がちょっとわかりづらい。

また、リバースの構造は決して昨今主流のオープンワールド形式というわけではなく、固定イベント→マップ探索可能な時期→固定イベント→マップ探索可能な時期……という繰り返しで、基本的には一連の流れや展開はがっちり固まっています。

そしてこの固定イベントがまた長い。大抵はどこかのダンジョン探索ですが、普通にプレイすると3~4時間は拘束されて、イベントやバトルが絶え間なく続くので、プレイにもカロリーががっつり必要です。

自由度があるようで目算よりは低い、というギャップが最初は不自由に感じてました。

この辺は原典たるFF7の、今となっては珍しいけど、完全フリーなオープンワールドでもなく、かといって一本道RPGではないあれの再現に思いました。当時はこういうマップ単位で探索ができるタイプのRPGは普通だったもんね。

PS1時代に主流だったあのRPG形式を「そのまま持ってくるけど、現代のゲームに変えてみせる」というリバースのコンセプトなのかなと。当時のボリュームでやってたことを、さらに基準の上がった現代で再現しようとしてるんで、もうもうただただボリュームに圧倒されます。

で、自分としては「見たことあるやつだが、現代風にボリューム増えてて重くてしんどい……」という既視感と飽きが正直かなりあった。サービスなのはわかるがお腹はち切れそうなんですが!?っていう「量」がぶん殴ってくる。

ストーリー面でも展開が激動するわけではなく、むしろ始まりは緩やかで「どこかにいるセフィロスを当てもなく探す」モードなので、序盤の求心力はかなり弱い……というわけで、中盤あたりまではかなり飛ばし気味に進めてました。

とはいえ投げ出すほどつまらないということはなく、そうこうしているうちにユフィが参加し、バレットの過去編があり、ケット・シーが参加するころにはドラマやメンバー面でもかなり充実していて、気が付けば前のめりに遊んでいました。これがだいたい40時間くらい。よくやってんな自分。

前作リメイクからバトルがブラッシュアップされ、難点だったバトルの「固さ」がかなり緩和されていたのは良かったです。前作の「敵が固い」も「戦略の幅がない」も、本作ではいずれも柔軟性が増しており、やらされてる感はかなり減じていたかなと。

ちなみに中盤以降はユフィを主に操作キャラにしていました。遠・近の切り替えができて、属性攻撃が標準でできるので、後半の条件が複雑な敵キャラと相対するのに便利。時点はバレットとエアリス。遠距離攻撃サイコー。

あとはミニゲームも、まあよかったです。ただピンキリはある。基本的に強制ミニゲーム類が苦手なんですが、よくもまあここまで手を変え品を変えてミニゲームを搭載してくるな!?  という感動はある。10とかじゃきかないミニゲーム群が2~3時間に一回は出てくる。何なのだこの情熱。こういうところもPS1オマージュなのか。

そうこうしているうちに、飛ばし気味だったクエストや探索も「もっと彼らの旅を見たい」という思いに突き動かされて、マップを行き来し、気が付けば大半はクリア済み。もうやることもないな、と思ってラストダンジョンに突入。

そこからはもうずっと泣いていた。別にラスダン入った直後は泣くような展開はないんだけど、エアリスの存在にずっと泣かされてました。

FF7の主人公はクラウドですが、しかしリバースという作品は、そのゲーム性も含めてエアリスのためにあるように感じます。

「世界でただ一人」という使命を背負っている彼女は、ともすれば普段の特徴的な言動と、時に驚くほど頑固な行動力もあって、どこか神秘的な人物にもみえる。けれど彼女にも血と肉の通った怒りと悲しみと憎しみがあり、友達の存在に喜びバカなことに興じて仲間たちと笑いあい、セトラとしての修行に意気込むだけの「世界でただ一人」に対する迷いと不安がある。

コスモキャニオンで生まれに起因する苦難を吐露した彼女が「聞かれてしまったか」と照れる顔に、この旅とは、無機質なビルに心をとらわれ、暗いスラムで憎しみと怯えを胸に生きていた彼女の、人生の謳歌なのだろうと確信して。

そんなエアリスが「この世界が大好きだから守りたい」といえるだけに変わったことに、びゃんびゃん泣けて仕方ない。

別作品挙げるのもどうかと思うんですが、このあたりはFF15のノクティスと姿が被ってました。彼もまた生まれながらに使命を持ち、「世界でただ一人」の運命を背負わされ、仲間たちとキャンプしながら駆け回ることで、己の運命と境遇に立ち向かう強さを得る……という流れが、ストーリーだけではなくシステムも含めて構築されていたのがFF15というゲームでした。

そこへ行くと、やはりリバースとは「生まれに流されるしかなかったエアリスが、己の使命に向き合うまで」を、ストーリーだけではなくゲームシステムも込みで描こうとしているのではないかな、と思うのです。

ラスダンいきたくね~~~~~~~~~~~~~!!!! この旅を終わらせたくな~~~~~~~~~~~~~~い!!!!! って最後は地団太踏みながらも、でも大好きな星を救うためだもんなって泣きながら進むしかないじゃないすか。

それであの結末は正直よくわからんし、わからせようと思ってないのはわかるので、これはもう続きを待つしかねえ。

てっきりザックス世界に合流するのかと思っていたんですが、実はそっちこそ放棄された世界で本筋はクラウド側にあると示されたのに少し驚きがありました。

というのも、今後描かれるだろうクラウドの真相とは「じゃない方であること(本来のそれはザックスが持つ)」なわけですが、今この構造は逆転しているのだなと。そうかー。

幻覚なのか混線なのか、そのどちらでもあるのか。示唆するのみで確定はさせないという演出ととらえたので、あとは座して待つ。

「あと4年はかかるのか~」って気持ちと、リバースの全方位にリッチで膨大なゲームぶりに「よく4年でこれ作ったな」という気持ちもあり、まあ仕方ないので待ってやんよ。

エアリス~~~~~~~~幸せになってくれ~~~~~~~~~~!!!!

すごい良かったです。ちょっとほんとにびっくりするくらい良いゲームでした。

2024年3月10日 この範囲を時系列順で読む

PS5「FF7リバース」13章入ったところ

PS5「FF7リバース」13章入ったところ

エンシェントマターは全部回収してギルガメッシュ島に乗り込むとこ。マップ探索は全部埋めた。クエストは、どうしてもミニゲーム系がやる気起きなくて9割でストップ中。

ギルガメッシュと決着つけたら流石にやることなくなるので進めるか……と思ってるところのもの。レベルに余裕があるものの、武器集めしてないので空きが気になる。

ゴンドラはエアリスでした。PS1の元イベントだと意味深かつ少し浮いた印象があったんですが、本作ではエアリスの人物描写にテキストが割かれているので、「あなたを探している」の重みがしみじみ良い。

彼女にとって、この旅と、クラウドとの出会いは、本当にかけがえのないものだったんだと、そう思える。

続きはストーリーネタバレあるよ。



忘らるる都行きたくねえええええええエアリスううううううう

ここまで入念に前振りしてるんだから元ゲームと違う道が示されると分かっていてもヤダヤダあああ

あと、リバースの旅がとても楽しかったので、これが終わるのも寂しい。始まった当初はふわふわした理由の旅だなあとイマイチ乗り切れていなかったけれど、今となってはその道程も全部が愛おしい。

どうにもFF15と重なるんですよね。

FF15では運命に縛られた青年ノクティスの、短くも輝かしい自由と生の実感の旅路で。終盤に行くにつれてその眩しさが急激に萎んで、元々あった運命に巻き取られていく様がとてもつらかった。

それでも、あの旅があったからこそ、ノクティスは生まれながらに定められた人生だったかもしれないが、彼は友と経験に恵まれ生を全うした、不幸な人生ではなかったのだとプレイヤーは知っている。

FF7Rでは、エアリスという運命に縛られた少女がいて。小さな世界で生きてた彼女が、広い大地を前に仲間たちと出会うための旅をした。この旅が終われば、夢のような日々は消えて、どうしようもない現実が立ち塞がると約束されている。

ザックス世界線がやはり本来の道筋のようで、これからクラウドたちも合流するらしい。エアリスの運命もそこで「本来の」ものに収束していくのだろうと思う。

うえーん

終わらないで欲しいけど、終わらせないといけない。

うえーん

2024年3月8日 この範囲を時系列順で読む

PS5「FF7リバース」11章途中

PS5「FF7リバース」11章途中

30分に一回は強制ミニゲーム差し込んでくるのやめろし。PS5のスペックをそこに注ぎ込むんじゃない。

元のFF7自体がミニゲーム豊富だったけれど、強制ミニゲーム入るゲームは当時から苦手だったなー。今やかなり撲滅された風習だったと思っていたけど、過去に逆襲されてる。

11章のメインストーリーがひと段落してクエストとシンボル回収中。本作の終わりがどことなく見えてきて、今からしょんぼりしている。

結局、相当に当てのない旅だったけど、終わりが見えるのはそれはそれで寂しい。FF15のオープンワールドパートが終わって急速に未来が限定されていった時のような、「行き着く先」が見えることの侘しさを感じる。

そうそう、ずっとFF15のキャンプシステムを本作にも欲しいなと思ってたんだった。結局このリバースが目指すところは、おそらく彼らのモラトリアムに思えて、だったらあのキャンプシステムは最高の装置だったなあって。

FF7自体の終わり方が、キャラクターたち全員にどこか不穏さを感じるもので、そう思うとこの動機ふわふわ旅もまた貴重に思える。

やっとまた彼らに出会えたと思ったけれど、また別れが待っていると思うと、落ち込むくらいに悲しい。

ここからはストーリーのこと取り留めなく書いてます。



ヴィンセント、かわいい兄ちゃんになっておりとても良いです。

ザックスはてっきりパラレルワールドの住民なのかと思っていたけど、どちらかというとドラクエ6の幻の大地住民なんだろか。その場合、クラウドたち側が幻の大地住民の可能性もあるけれど。

でもキリエやマリンがいる理由がわからんか〜。特にキリエはクラウドたちとも本編中で接点があるのだし。

ビッグスはクラウドともであってる。ただ「作戦の前日」と言ってて、そんな短い付き合いだったかなと。いやでも宿の休憩も一泊してる訳じゃないもんなこのゲーム……。

時間の感覚がわからんと言ってたので、時空が歪んでるのは確かなんだが、単純に過去や未来を見せてるというよりはごちゃ混ぜになってる感じ。要所要所でクラウド軸のニュースも流してるけど、ミスリード演出なのか。

だとすると、ザックスの元で眠ってるクラウドたちは未来の彼らなんだろか。

セフィロスはおそらく本当に死んでてバラバラ状態っぽい。黒マントが合体するとセフィロスになるんじゃろか。キングスライムかな。もしそれが可能なら、死者が生き返る世界なのか。エアリスのそれを期待していた時期もありました。

死者が意識を持ったまま生き返れるなら、ザックスやビッグスもその範疇なのか。セフィロス側の、黒い風に守られていたようだし。生き返ることを指しての「リバース」なのか。

うおーやっと佳境に来たけど明日はゲームできない寝る寝る。

2024年3月6日 この範囲を時系列順で読む

PS5「FF7リバース」10章途中

PS5「FF7リバース」10章途中

コスモキャニオンの場所を完全に勘違いしており、たどり着く前にほぼ全部のシンボル踏破してた件。

前回気づいた武器アビリティを習得すべく、片っ端から操作キャラ変えてアビリティ連打。なんとなく使いづらいと思っていたレッドとケットシーの使い道がわかってきた気がする。あとエアリスは武器アビリティ揃えたらだいたい強い。

チョコボの空中浮遊が過去最高に苦手なやつで困る。ぎゅーっとボタン握り込むので疲れるう。でも景色は好き。ゴンガガよりはマップも複雑じゃないし。

コスモキャニオンのイベント、学徒というよりはセラピー寄りの内容だったが、こういう場だからこそエアリスも言葉を出せたんだろうか。

エアリスはマイペースな人……に見えて、実はずっと追い詰められてないかと思ってたけど、まさにそういう一面がモロっと出ててよかった。ゴンガガで、クラウドからザックスの話振られた時も焦ってて可愛かった。

でも、だからこそ……Rシリーズ自体、エアリスの顛末を分かった人がやる前提で作られていて、それでこの前振りである。

流石に終盤感が出てきたー。がんばるぞい。

2024年3月5日 この範囲を時系列順で読む

PS5「FF7リバース」9章途中39時間くらい

PS5「FF7リバース」9章途中39時間くらい

全然クリアできる気配ないので、ちょこちょこ記録していくこととする。

ゴンガガ地方でクエスト回収中。メインストーリーは野良飛行機を乗りに行くところでストップ中。いいよね野良飛行機。野良て。

約40時間くらい遊んでて、ようやく武器アビリティの存在に気づき、アビリティ指示しまくって回収している。なんか鍛えれそうなマーク付いてるのは気づいてたけど全然鍛えられないので何かと思ってた。

マテリアのオート武器アビリティの意味もようやくわかったので、パーティ順繰りで交代して怒涛のスキルゲット。勝手にアビリティ使ってくれんの便利だー。

ゴンガガ地方がかなり立体的なマップ造形なので過去最高に道に迷い、クエストとシンボル回収が本当に辛い。ちょっと向こう側に行くだけでもうろうろしてまう。なんならちょっと画面酔いもくる。

よく見るとマップ上に道や松明なんかで誘導されてるのがわかるんだけど、高解像度な石や草に結構な高さがあるのでシンボル類を見逃しやすい。これ、ゴンガガだけじゃなくてグラスランドエリアも同じだった。

リンク(BOTWとTOTK)だったら、ここ登って空飛んで渡れるのに……!!って何度も思ってる。

放っておいた召喚マテリアも回収中。バトルシミュレータではできるだけ難易度下げてるのに毎回ギリギリ勝利。心臓に悪い。

クラウド使うのも飽きてきたので、ティファやらユフィやらを使う。ユフィの忍術、オート操作だと勝手に敵をはめてくれてて便利なのに、自分使うと訳分からん。

疲れたら遠距離武器組のエアリスかバレット使う。バレットは前作リメイクでもよく使ってたなー。体力があって前線から距離置けるので生存率高い。

今できるクエスト回収はできたみたいなので、次はメイン進めるぞ。

2024年3月4日 この範囲を時系列順で読む

PS5「FF7リバース」9章途中まで

PS5「FF7リバース」9章途中まで

いま35時間くらい。まだ全然終わりが見えないので、とりあえずファーストインプレッション書いときます。

元のPS1版リアタイ勢で、御多分に洩れず当時夢中になったもんですが、とは言え記憶が朧げ。リバース遊んでても「あったなーこんなイベント、いやあったか? 新規か? もうわからん」と新鮮に遊んでます。

一都市を舞台としていたリメイクと比べて、リバースでは広大なフィールドマップがメインで、とにかく広い。

いわゆるオープンワールド調ですが、見た目よりは行ける場所やルートが限定的で、さらにメインストーリーが絶え間なく続くため、やっぱりこれは「フィールドマップ」と称するものだろうと思います。

原作でもミッドガルを抜けて初めてマップが広がった時には感動がありましたが、あの感じそのままに現代のゲームにアップグレードしよう、というリバースのコンセプトを感じる作りです。

ただやっぱり広いよー。

戦闘については、前作リメイクの時も思ったもんですが、ガードベースの戦闘システムがとにかく苦手……相変わらず敵も固い……

ただリバースではキャラクターも選べるほどに増えて、キャラや装備が限定的だったリメイクよりは「戦い方が決められてる」感じは薄い。

物語的には、前作リメイクで示された「セフィロスを追う」に沿って動いており、正直、本作独自のストーリーはあってないような……

色々思惑は動いているようだけど、思わせぶりなだけで展開や状況が一つも変わらん……飽きる……近年のスクエニ(特に旧スクウェアベースの)ゲームの悪いとこでてる……いやこれは元々だったか……あの引っ張り展開の始まりはFF7だったかもしらん……

個々のイベントはモブも含めていずれもフルボイスで、ふんだんにアニメーションするキャラクターたちが生き生きと楽しく、会話劇見るだけでも楽しい。しかし一方で、ストーリー面で見るべきとこがそれくらいしかない気がしている。

そんな中でも、バレットの過去の因縁ドラマのくだりはグッときました。こういうのだよこういうの!!ドラマを見せてくれ!!

クラウドとティファの「同郷だけど実はそこまで仲良くなかった」の距離感と温度感が、より生々しくなっててみてるとヒリヒリしてくる。エアリスのザックスに対する温度感は、ニチャァって見てられる。そこいらの解像度が原作からガン上がり。

前作リメイクから4年。思ったよりあっさり本作が出たなと思ったものの4年経っとるんかい。リメイク遊んだ時に感じた「これは10年かかるやつや」がだいたい合ってることになりそう。

なんだかんだで楽しみです。

2024年2月26日 この範囲を時系列順で読む

switch版「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」クリアした

switch版「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」クリアした

随分前に購入して寝かしていたんですが、連休中に思い立って初めてクリアー。楽しかったー。



ご存じの通り、元ゲームは1995年にスクウェアから発売されたアクションRPG作品のフルリメイク移植作。

SFC版は、何度となく初めては、幽霊船と火山島というホラーイベントと補給なしイベントという二大「RPGよくあるけど私は大嫌いなやつイベント」でよく挫けており、そこを超えても終盤の神獣戦でだいたい詰まってしまっていたんですが、さすがに今らしいゲームバランスになってて遊びやすくなってて助かりました。

パーティメンバーはリース主人公で、アンジェラ、シャルロットの女の子パーティ。ホークアイ主人公はSFC版で何度か遊んだ覚えがあるものの、リース側は遊んだ覚えがあんまりないなと選択。回復と遠距離攻撃を考えたら自然と女子パーティに。

持久力はあるんですけど終盤は火力不足は感じたかな~。どうにも決定的な物理戦力がないので、ボス戦ではちょっと時間がかかった気がします。次は男子三人で物理ゴリゴリクラスでやってみたい。

戦力面で選んだメンバーでしたが、イベントを見ているとシャルロットもアンジェラも破天荒に見えて、なんなら見た目で真面目そうなリースより気遣い上手いときがあるので、時々セリフに泣かされる。シャルロットが祖父を心配して帰りたいとぐずるときに、アンジェラが厳しくも優しく慰めるイベントがすごく良かったですね。

こういったメインイベント類も原作版からかなりそっくり持ってきているようで、「いまのRPGだったら(3Dや声の演技を踏まえて)もう少しセリフを切るよな」と感じるような長めのセリフに「SFCくらいはこういう切り方だったなあ」と感じることもありました。

一方で、本作で追加されたであろう移動中のボイスイベントなどはキャラ同士の掛け合いも多く、聞いているだけで楽しいですね。もともとの聖剣伝説3というゲームの特徴としてあった、6人×3人パーティという組み合わせから生じる掛け合いの妙が最も発揮されている部分かも。

グラフィック面ではポップでかわいらしい世界観にまとめつつも、こう、根っこには「元ゲームの再現」があるように思えて、元の90年代らしさも時々感じる不思議な塩梅。肩アーマーとか懐かしいよな。

リファインはしつつも全体に「当時のラインの再現」をしてるので、特に妙齢の女性だとモブやモンスターさえハイレグレオタードやビキニアーマー着てるとこに時代感じる。そうだったな……90年代そうだったわ。どっちも見なくなったな~。

SFC版を振り返ってみれば、結城信輝氏のキャラクターデザインに、磯野宏夫氏のワールドデザインなど90年代サブカルチャーど真ん中のデザインでしたね。

こう、すべての面において「SFC版を変えずに、今のゲームに変えたらどうなる?」という思考実験を感じました。

当時はターン制RPGがメイン仲撫でまだまだ珍しさのあったアクションRPGという要素も、いまとなっては「アクションRPGの方が普通」なわけで、この作品がこの時代に満を持してリメイクされるのも当然だったのかなと。

そしてもちろん、元ゲームからあったキャラクターたちの魅力と組み合わせの妙はやはり健在で、久しぶりに会えた彼らに胸躍ります。

基本的に主人公らは、それぞれの私情や私欲のために願いが叶う剣を探しているわけで。良心と正義感を持つ彼らではありますが、決して世界平和だけを願って行動しているわけじゃない。そんな彼らが出会って、何を経験し、どう変わっていったのか。そこのドラマ性は今にも通じる力強さがあったと思います。

またメンバーを変えて、彼ら彼女らの冒険の行く末を見守りたいなと思えるゲームでした。

2024年2月18日 この範囲を時系列順で読む

映画「ボーはおそれている」を見てきたよ

映画「ボーはおそれている」を見てきたよ



日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。
母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう“いつもの日常”ではなかった。
その後も奇妙で予想外な出来事が次々と起こり、現実なのか妄想なのかも分からないまま、ボーの里帰りはいつしか壮大な旅へと変貌していく。


公式サイトより引用

新進気鋭の映画監督アリ・アスターの長編最新作! 私が長編初作品のヘレディタリーを見た後に1週間くらい引きずって家の電気を消せなくなったでおなじみ!

ヘレディタリーでもミッドサマーでも鑑賞直後は「どう思えっていうんだよ!」と思った覚えがあるんですが、今回も見事に「どう思えっていうんだよ!!」って思いながら帰路につきました。

いうてヘレディタリーもミッドサマーも「ホラー映画」に属しており、そこには「型」があるから、あちこちでぐにょんぐにょんしていてもまだ外枠があったんですよね。そこへいくと「ボーはおそれている」は監督自身が「ジャンルにとらわれない映画を撮りたい」というコンセプトから始まっており、ある意味「外枠をなくした映画」を志しているのだろうと推測されるので、もうただただぐにょんぐにょんです。

夢、特に悪夢のような映画で。強いオチもないし、ただただ理屈のわからない理不尽なことがボーには襲い掛かってくる。一応、とある理屈は示されるが、なによりそれが明かされた後の展開は、もう本当にふわふわとした展開に突入するのでいよいよ悪夢めいてくる。エンドロールが流れた時には内心で「え!?」と驚き、なんだか頭の中がぐわんぐわんと回っているような感覚に襲われたわけで。

私が映画館で見た時、右隣に男女カップルが座っていたんですが、途中で女性が「かわいそすぎる……」とつぶやき、エンドロール後に男性が「わけわからん……」と言って立ち上がってましたが、本当にその言葉に集約されてるなって思います。

ちなみに左隣に座ってた老齢の女性は、鑑賞中に2・3回くらいいびきかきながら寝てました。まあでもそのくらい、平穏なようで実は何もかもが不穏という静かな映画でもあるので、見ながらげらげら笑える映画ではないです。あとなんかこの状況自体がすごいボーっぽいと後から思ったりもした。

ただでも、不穏、なんだよな……すべての画面がなんでああもう不穏なんだろうな……それもあってか、自分は終始奇妙な緊張感があって、頭がさえて変な精神状態に突入してる感じがありました。わかりやすい娯楽作ではないし、終始「どこいくんだこれ」と思わされるふらふら感があるけれど、何を描いていて何を描きたいのかはかなりはっきりわかる演出の冴えがあるので、退屈というのもちょっと違う感じ。

あとこれ地味に予算ががっつりかかってる映画なので、画面の作りこみや美術が目で楽しい。その全部には「不穏」の文字が張り付いているのでなお楽しい。

ここからは具体的なネタバレ含む話。

私はどうもボーを見ながら終始ヘレディタリーのことを思い出してました。この「別に何でもないのに何故か画面全体が不穏で目が離せない」が展開されて、そのうちドンとすごい展開がくる感じがすごい似ているなと。

なんといってもヘレディタリーの一番のトラウマである「屋根裏部屋に追い込まれる」展開がボーでもあり、実際に恐ろしい事態が起きますが、ボーではすかさず助けが入ってくるので助かりました。ホラーだったら見ながら死んでたけど、コメディ(?)だから助かった。

振り返ってみると、屋根裏部屋に入ってからのボーは「いうてなかなか母親に屈服しない」態度が完全に折れてしまい、精神が急激に変化してファンタジーに突入する感じはヘレディタリーの展開そのままなんですよね。

ヘレディタリーにおいては、むしろこの展開前後は「はい、ホラー映画のノルマですー」と言わんばかりの展開を詰め込んでみせてるんですが、ボーではより抽象的な何か突入していく。

そうやってジャンルという外枠、ノルマをなくした分だけ、アリ・アスター作品がずっと「語っていたもの」がよりむき出しになってわかりやすくなっているように感じました。

家族という牢獄、特に母系家族が子に注ぐ重圧。その話何回目だよ! と思っちゃうけど、正直自分としては身に覚えがばんばんあり、毎回描写の解像度の高さが見事すぎてなんもいえねえ。

べらぼうに映画が美味いんだけど、毎回初見で困惑させられる不思議なクリエイター。次回作もみるぜ!

映画「身代わり忠臣蔵」を見てきたよ

映画「身代わり忠臣蔵」を見てきたよ

映画話の前にちょっと自分の話なのですが。

よく言ってるように、わたくしは今年の正月は実家のある富山で震度5強を経験し、今は現住所の石川に戻って生活をしています。

ここはインフラも問題なく普通に生活できているんですが、実は地震の影響で、県内の映画館のいくつは1月半ばまで休止してまして。そういった関係もあって、2月に入ってようやく映画館にいけました。

また一つ日常が戻ったのかな~と思ってましたが、この映画見ている時間にこっちも震度2が起きてるんでやんの(記事投稿する数日前です) まだまだ非日常の中にあるのだな、と感じます。



嫌われ者の殿・吉良上野介(ムロツヨシ)が江戸城内で斬られ、あの世行き!
斬った赤穂藩主は当然切腹。だが、殿を失った吉良家も幕府の謀略によって、お家存亡の危機に!! そんな一族の大ピンチを切り抜けるべく、上野介にそっくりな弟の坊主・孝証(ムロツヨシ)が身代わりとなって幕府をダマす、前代未聞の【身代わりミッション】に挑む!
さらに、敵だったはずの赤穂藩家老・大石内蔵助(永山瑛太)と共謀して討ち入りを阻止するというまさかの事態に発展!? 幕府に吉良家に赤穂藩も入り乱れ、バレてはならない正体が…遂に!?


公式サイトより引用

正月といえば忠臣蔵だよな! とみてきました。2月だけど。正月が地震でぶっ飛んでしまったので、いまが正月ということで。

笑いあり涙あり不謹慎ネタありと、非常に楽しい人情ドラマでした。

忠臣蔵というといろんな切り口のある題材ですが、今回は事件の当事者である吉良上野介も浅野内匠頭も性格に難ありなキャラクターとして描かれ、それゆえ主人公である孝証と大石内蔵助が二人して「悩める上司に苦労する部下」と意気投合して事件を企てる……という点が面白いところで。

孝証と大石内蔵助が腐れ縁として出会い、そして互いに己の運命を知るまでの流れが楽しくも悲しい。

あくまでコメディではありますが、両者の死をもってしないと事態は止められないという悲劇性もあり、どちらの家にも守るべき生活たちがあり、そのために仮の当主としてふるまう二人の責任の追い方も丁寧でした。

それと、主人公が非武人ということもあり、なにかと武家社会の理屈で動きがちな題材の中で、適度にツッコミ入れてくれるのも個人的には良かったなと。「打ち首(死刑)より切腹(死刑)の方が名誉あること」とは、理解はできても理不尽だなと思ってるところに、孝証が「生きていてほしかった」と言ってくれるのは心地よい。

何百年前から大衆に愛される定番ドラマですが、現代ではなかなか作られないよね……っていうのは、10年以上前から聞いてましたが、いうて「決算!忠臣蔵(2019年)」「ラスト・ナイツ(2015年)」「最後の忠臣蔵(2010年)」など、それでもまだまだ定期的に作られてるよねと。あと直接的に扱わなくても「時は元禄……」から始まるタイプの時代劇、だいたいどこかで「この時、江戸では赤穂事件が起きており……」と登場するのもよくある。

それだけに時代の中で様々な変遷のあるドラマなので、いったいどんな潮流があったのか? というと、この番組がおすすめです。



私も見た後に聞きなおして、改めて今作の内容を考えたりもしました。

気軽に楽しくみられる一作としておすすめです。
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