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「Fate/Samurai Remnant」1回目クリア感想

「Fate/Samurai Remnant」1回目クリア感想

switch版で遊んでます。まだ回収できてないエンドがあるんだけども、とりあえず1回目の感想記事。



「Fate/Samurai Remnant」公式サイト



江戸時代に聖杯戦争やろうぜ! っていうFateシリーズの最新作です。

聖杯戦争って何よって人はぐぐれぐぐれ。Fateシリーズのアニメかコミックなら今たくさんあるので、入り口はいっぱいあるぞ。多分一番普及しているだろうFate作品たるFGOは、「マスターとサーヴァント」システムはあるけど、聖杯戦争はそんなにやってないから意外とこの辺の知識がつかないかもしれない。

まず型月作品の感想を語るなら、「わたくしとTYPE-MOON」の話からしないといけないのでそこから書きます。

ゲーム遍歴から言うと、2000年初頭に美少女ゲーム好きの友人たまたま「月箱」を持っていたため、月姫と歌月十夜をプレイしたのが出会いでした。その流れで当時PC版が発売直後だった「Fate/stay night」をプレイ。流れのままに「hollow ataraxia」を遊んで、あとは飛び飛びにシリーズ作を嗜む程度です。FGOも時々遊んでますが1.5部の途中で止まってる。月姫Rは遊んだ。リメイクのシエル先輩好き好き。

「Extra」シリーズは未プレイなので、ホロウから数えるとサムライレムナントは約18年ぶりに単独の聖杯戦争してるゲームかもしれない。型月も長くなったな…。

とはいえ、ゲーム性から言えばノベルゲームからアクションRPGという大飛躍なので、サムライレムナントは普通に新作ゲームとして楽しみでした。

それでゲームの感想ですが、やっぱりなんというか戦闘システムの設計が良かったですね。

プレイヤーキャラである伊織(人間)と、オートで敵を迎撃するセイバー(サーヴァント)が組んでバトルを行いますが、伊織の攻撃が強敵には通らず・セイバー(サーヴァント)の攻撃は強敵に通るという構造が、何とも言ってもこのシステムの肝でしょう。

伊織を操作している最中は正面からは全く攻撃が通らないので、いろんな手段で相手の隙をついて倒す……とは、近年のアクションゲームだとしばしば搭載されているシステムですが、世界観の観点から言うとこれってまさに「fate世界における人間の戦い方」の再現だと思いました。

上位存在としてのサーヴァントや魔獣たちには人間は基本かなわない……しかし、時々人間の身でありながら鍛え抜かれた技巧の末に、さらにいくつかのからめ手を用いることで時には勝つこともできる。この塩梅については、Fateシリーズに触れたことある人なら「よくわかってるな~」と感心するんじゃないでしょうか。

例えば、相手に隙ができると敵の身体が光って見えて攻撃が通るようになるんですが、あれはゲーム的信号ってよりは「人間の身で武芸を極めたやつに見えてる攻撃の筋道」にだんだん思えてきてアツいなと。

ゲーム的にもボタン連打すれば倒せるというものではなく、相手の隙ができるまで待ったり、ジャスト回避からのカウンターを狙ったり、ゲージをためて必殺技をくらわせてダウンさせたりと、アクションながらに戦略性が要求されるバランスが良かったですね。

その一方で、基本的に敵が固いし「ボタン連打すれば倒せる」わけではないので、ゲーム難易度的にはアクションになれていないと厳しいかなとも。もともとノベルゲーム発である型月ファンからすれば、なかなかとっつきにくいジャンルかもしれない。逆に言うと、これまでジャンル的にピンとこなかった人の入り口にもいいかもしれませんね。

あとシステム的な難点から言えば、カメラワークとロード時間かな。ただこれもしかするとswitch版だからかも。

カメラが結構難ありで。角度によっては結構はっきりがくがく動くし、特に町マップは細い路地が迷路みたいになってることも多く、久しぶりに3D酔いしました。

フィールドマップから街に入るときのロード時間も長めで、体感ではゼルダの伝説ブレスオブワイルドでワープしたときのロード時間くらいありました。

ただ、かなり多くのハードに展開している作品なので、もうちょいスペック的に高いハードウェアだったらこの辺ましだったのかな~という気持ちも。まあまあ何とか乗り切りましたよ。

物語の話になりますが、先細少し触れました通り、今作の主人公の伊織は「人間の身で武芸を極めたやつ」なんですよね。

ゲーム開始時は、伊織もそこいらのごろつき(人間)相手には無類の強さを持つものの、攻撃エフェクトはそこまでは出でもないし動きも地味。一方で、序盤から共闘するセイバーは剣を一振りすればなんか光るし、伊織以上に早く高く動き回る。もうなんかそのギャップからして「人間と人間ならざる存在」を感じずにはいられない。

しかしゲームが進行し、伊織もどんどん強くなっていくと、伊織の攻撃エフェクトも光ったりするし、ちょっと人間離れした動きをし始める。そうやって伊織はどんどこ人間離れしていくし、最後は単騎でサーヴァント倒すし、fate主人公恒例「気がつけばやべーやつ」の出来上がりよ。こういうところはやっぱり押さえてるんだな。

正直1回目のエンドでは、彼のそういう側面に触れはしても深堀はされなかったので、たぶんここからそこが本題になっていくんじゃないかな…。そういうわけで周回が基本のゲームです。

相棒であるセイバーとは、ゲーム前のインタビューなどでも「バディ」を押してるだけあって、今作では恋仲にならないです。っていうか別に相手がいる。

このあたりは「美少女恋愛ゲーム」から生じた月姫・Fateシリーズに長く根付いていた文化だけあって、遊んでみてがっかりする人もいるのかなあ。個人的には「歴史上の偉人」を扱ううえで、主人公と恋に落ちる展開はしばしば設定に無理が来ることも多くて、バランスが難しい要素だな…という気持ちもあったので、ゲームジャンル自体がすっかり変わっているならそこにこだわる必要もないだろうと感じています。

ただ、はっきりとした恋愛関係という形ではないものの、伊織とセイバーは終盤ずっと距離近くてアツアツだから大丈夫(?)

最初は特にセイバー側が地味にあたりの強い態度で伊織に接してきますが、旅をつづけるにつれて伊織との関係も深まり、最終的には「お前がいてくれたから」「こちらこそ」という意味のやりとりを、戦闘ボイスでずーっと言いあう仲になる。半端なデートセリフよりイチャイチャしておる。でもやってることはバトルなんですよ。いったい何を見せられてるんだ……。

サムライレムナントはこれはこれで、「お互いの関係を深めて唯一無二の存在になっていく過程が楽しめるストーリー」であることには間違いないです。

そんな関係を楽しめるくらいには、やはりセイバーと伊織のキャラクター性が素晴らしく、なんといってもそこが本作の魅力だと感じています。

何事にも奔放で、無類の強さと無邪気さで3Dマップを縦横無尽に駆け回るセイバーと、そんなセイバーに当初は振り回され旅を通じて自己を見つけていく伊織。

特に伊織はおとなしそうに見えてお前根っこは相当「戦士」だよなあと。どんどん強くなっていくのもそうだし、生い立ちやこれまでの経歴踏まえたら結構な「戦闘狂い」じゃないのか君。太平の世に「なってしまって」自身の牙をみないことにしてるけど、でもずーっと磨いていたわけでしょ。

そんな彼に絶好の機会である聖杯戦争を与えたらどうなってしまうのか? そのそばにいるセイバーは彼をどう見るのか? この二人の先には何があるのか? それを見守るためにも残りエンド回収いってきます。
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