映画「羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来」をみてきた 映画「羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来」をみてきた やっと近所で封切りされた~とウキウキ見てきました。 https://luoxiaohei-movie.com/2nd/ かわいらしいルックで、ゴリゴリにわけわからんほど動くアクションが気持ちいい娯楽作ですが、内容は非常にシビア。 前作では一人で生きてきた妖精シャオヘイが、人間であり後に師匠になるムゲンと出会って成長し、やがて社会に根付く人間と妖精の軋轢を知る……というストーリーでしたが、なんと続編である本作では「今度は戦争だ」と有名なキャッチコピー通りな感じにスケールが拡大します。 本作のストーリーは、人間による妖精たちへの襲撃事件が発生し、また妖精を殺せる武器が流出。調査の結果、首謀者としてムゲンに容疑がかかり拘束される。シャオヘイとその姉弟子ルーイエは事件の真相を追う、というもの。事件を追ううちに妖精と人間間の武力衝突、つまりは戦争一歩手前まで事態が進展していきます。 前作は物語の導入が複数あり、正直中盤ほどまで「何の物語だ?」とやや混乱しやすい構造だったんですが、本作では一つの事件の真相を追う形になっていて非常に入りやすかったです。 また要所要所のアクションシーンがもうなんかわけわからんほどすごくてすごい。構図も動きもバッチバチに決まっているうえに、驚きとアイデアにあふれていて全く飽きない。これはねーほんと見てよかったね。 個人的に思うのは、なんていうかマーベル映画の良い方の作品っぽいよなと。これは前作見た時もちょっと思った。 アクションと言っても単純な殴り合いというだけではなく、「このアイテムを壊せば実質勝てるので、その攻防戦になる」とか「人命救助をしながら戦う」「拠点を守りながら戦う」「周囲を精神的に制圧するためのパフォーマンスとしての闘い」といったギミック戦が多いんですよね。シンプルな殴り合いシーンももちろんありますが、片や屋外での戦闘、片や閉鎖空間でのカメラ越しで眺める戦闘とか、毎回趣向を凝らしている。 このアイデアの凝らし方や飽きさせない工夫の持たせ方というと、やっぱりここ10年はマーベル映画がとにかく突出してすごくて、それをよく研究して昇華させている作品だなあと思います。閉鎖されているけど広い空間で戦うとか、画面の中にわかりやすい導線があるのでアクションシーンも見やすくなるといった工夫はルッソ兄弟っぽいよね。そういったハイブリットぶりが人気や興行収入にも表れていているんだろうなあと思います。 ストーリーに関しては、個人的に前作におけるシャオヘイの選択とは、作中の情報だけだと「ちょっと納得度が弱い」と感じていたんですが、今作ではそこが整理されていたなと。 前作では、作中でだされた結論に納得できたというより、「まあ、普通はそうなりますよね」とメタ的に飲み込んでるところがありまして。敵対勢力側に寄せた心を引き留める力が弱いように感じたんですよね。そもそも作品としてわかりやすい勧善懲悪ではなく、「虐げられた歴史を踏まえた今」という複雑な立場と軋轢をあぶりだす作品なので、どうしても敵対勢力側に心を寄せる力が強い。「それでもなんで?」の説得には非常にパワーが必要な題材でもあって。前作ではそこが少し弱く感じたなあと。 それで本作ですが「様々な立場の人がいて、そこは尊重しつつ、ある一線だけは守る」という形に整理されていて、そこが一番よかった。 特に「戦争忌避」の視点が非常によい。「戦争おこしてそこで全部決めたらあ!」と動く勢力に対して、戦争孤児である姉弟子ルーイエの過去や体験を通して、なぜそれを避けねばならないのかが示される構図が非常によかった。また交渉や事務方が戦争回避のために頑張ってる描写も良かったですね。 それこそ今の現実は、戦争を望んで起こしたり、起こそうとするべく分断と対立を煽る話があちこちにあるわけで。こんな世界で「なぜ戦争を起こしてはいけないのか」に真摯に向き合う物語を描いたことに、非常に価値があると思います。 テーマもシチュエーションもシリアスですが、見ている間は娯楽性にあふれて飽きさせない。本当に良い映画でした。 映画 2025/11/29(Sat) 18:27:46
やっと近所で封切りされた~とウキウキ見てきました。
https://luoxiaohei-movie.com/2nd/
かわいらしいルックで、ゴリゴリにわけわからんほど動くアクションが気持ちいい娯楽作ですが、内容は非常にシビア。
前作では一人で生きてきた妖精シャオヘイが、人間であり後に師匠になるムゲンと出会って成長し、やがて社会に根付く人間と妖精の軋轢を知る……というストーリーでしたが、なんと続編である本作では「今度は戦争だ」と有名なキャッチコピー通りな感じにスケールが拡大します。
本作のストーリーは、人間による妖精たちへの襲撃事件が発生し、また妖精を殺せる武器が流出。調査の結果、首謀者としてムゲンに容疑がかかり拘束される。シャオヘイとその姉弟子ルーイエは事件の真相を追う、というもの。事件を追ううちに妖精と人間間の武力衝突、つまりは戦争一歩手前まで事態が進展していきます。
前作は物語の導入が複数あり、正直中盤ほどまで「何の物語だ?」とやや混乱しやすい構造だったんですが、本作では一つの事件の真相を追う形になっていて非常に入りやすかったです。
また要所要所のアクションシーンがもうなんかわけわからんほどすごくてすごい。構図も動きもバッチバチに決まっているうえに、驚きとアイデアにあふれていて全く飽きない。これはねーほんと見てよかったね。
個人的に思うのは、なんていうかマーベル映画の良い方の作品っぽいよなと。これは前作見た時もちょっと思った。
アクションと言っても単純な殴り合いというだけではなく、「このアイテムを壊せば実質勝てるので、その攻防戦になる」とか「人命救助をしながら戦う」「拠点を守りながら戦う」「周囲を精神的に制圧するためのパフォーマンスとしての闘い」といったギミック戦が多いんですよね。シンプルな殴り合いシーンももちろんありますが、片や屋外での戦闘、片や閉鎖空間でのカメラ越しで眺める戦闘とか、毎回趣向を凝らしている。
このアイデアの凝らし方や飽きさせない工夫の持たせ方というと、やっぱりここ10年はマーベル映画がとにかく突出してすごくて、それをよく研究して昇華させている作品だなあと思います。閉鎖されているけど広い空間で戦うとか、画面の中にわかりやすい導線があるのでアクションシーンも見やすくなるといった工夫はルッソ兄弟っぽいよね。そういったハイブリットぶりが人気や興行収入にも表れていているんだろうなあと思います。
ストーリーに関しては、個人的に前作におけるシャオヘイの選択とは、作中の情報だけだと「ちょっと納得度が弱い」と感じていたんですが、今作ではそこが整理されていたなと。
前作では、作中でだされた結論に納得できたというより、「まあ、普通はそうなりますよね」とメタ的に飲み込んでるところがありまして。敵対勢力側に寄せた心を引き留める力が弱いように感じたんですよね。そもそも作品としてわかりやすい勧善懲悪ではなく、「虐げられた歴史を踏まえた今」という複雑な立場と軋轢をあぶりだす作品なので、どうしても敵対勢力側に心を寄せる力が強い。「それでもなんで?」の説得には非常にパワーが必要な題材でもあって。前作ではそこが少し弱く感じたなあと。
それで本作ですが「様々な立場の人がいて、そこは尊重しつつ、ある一線だけは守る」という形に整理されていて、そこが一番よかった。
特に「戦争忌避」の視点が非常によい。「戦争おこしてそこで全部決めたらあ!」と動く勢力に対して、戦争孤児である姉弟子ルーイエの過去や体験を通して、なぜそれを避けねばならないのかが示される構図が非常によかった。また交渉や事務方が戦争回避のために頑張ってる描写も良かったですね。
それこそ今の現実は、戦争を望んで起こしたり、起こそうとするべく分断と対立を煽る話があちこちにあるわけで。こんな世界で「なぜ戦争を起こしてはいけないのか」に真摯に向き合う物語を描いたことに、非常に価値があると思います。
テーマもシチュエーションもシリアスですが、見ている間は娯楽性にあふれて飽きさせない。本当に良い映画でした。