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はじめた話。

久しぶりに「ウェブサイトで日記を書く」ことを志し、少し前まで当たり前に書いていたし息するように書き出しで来ていた気がするのに、今はずいぶん苦労してこの一文を打ち出しています。

上手い書き出しが全く浮かばないので直球に書くんですけど、創作マンガを始めた理由をいまから書きます。


数年前の誕生日の朝に「ぼーとしてたら何も作らないまま人生って終わるんだな」と唐突に浮かんだからです。いつの誕生日だったかは思い出せないけど、そのとき考えたこと、そのときあった不思議な浮遊感はいまも頭に残っています。

二次創作をたしなんでいて人並みに制作スキルは習得したし、上京してイベント参加してまた帰ってくるのも慣れていたし、財政的にも多少はがんばれる頃合いだったことが次々と脳内で符合していき、「あ、いまならできるかも」と続けて考えていたのもよく覚えています。

次に、思いついた作家のWikipediaを片っ端から開いて経歴を確認しました。年代や時代問わず。大丈夫、今の自分よりずっと歳とってからデビューしている人は割といる(もちろんすごく若い時期にデビューしている人もたくさんいたけども) 商業デビューと創作活動の始まりは一緒じゃないんですけど、でも「どこからだって始めることができる」という事実からは大きな勇気をもらいまいした。

さらに次に考えたのは、何を作るのか。それまでずっと続けていた二次創作マンガは、ふいに訪れる熱に浮かされてて自分でもコントロールが効かないところがあって(でもそこがいいんだよな)、定期的に、安定して制作できそうなものというと、自分の場合は「創作マンガ」でした。

作品案を試しに描いてみて、相互フォローに一人でも受けたら同人誌にしてやろう、という魂胆で始めたのが、「女の子が行きずりで遊び相手になった犬と猫」です。実際その通りになって同人誌を作りました。行きずり犬は展開も作画も完全に手癖で描いているので、作っていて何にも抵抗がなくてつるつる進んで、着手している間は何も考えずに描いていたように思います。

一本まるまる作ってみて、幸いなことにおおむね好意的に受け取ってもらえて、その中で「ここに反響があるんだな」「ここに反響はないんだな」もみえて、自分のモチベーションの形や癖もなんとなくわかって。思いついてた要素は書き切ったのでいったん終わらせて、じゃあいま拾ったものを生かしてもう一つ作れないかと「徒花の妖精姫」を書き始めました。

どんと読み切り本を出して今の自分を世に問う! みたいにかっこよくできたらよかったんですが、まあ結果は準備号でした。今の自分の速度はこんなものか、プロットに対するページの読みが甘すぎとか、そういう新たな反省点も見えました。あと文字通り準備号で「できたとこだけ取ってだし」だったんですが、予想以上に「気になる引きだ」といわれることが多くて、そこはめっけもんだったと思います。

別に、作らない人生というものに価値がないとはさっぱり思わないんだけど(想像に伴う疲労や苦難から、心身ともに距離を置いていられるのは何にも代えがたい価値だと思う)、とはいえ、人生のどこかで苦しい期間があってもいいだろう、他には余裕があるんだし今のところは。そういう心持ちで創作マンガを書き始めました。

これを書いたところで何ってわけでもないんですけど、いわゆるひとつの開会宣言です。

南柯そう(ナンカソウ)

デジタルにも「アナログ感」なるものを追い求めるオールドタイプヒューマン。