【水彩メイキング】淡色下塗りと影色でメリハリを出す

作画工程・メイキング

この絵の作画の過程と考えてたことをメモしていきます。

出典tumbr

基本情報

  • 概要
    • ゲーム「アルトネリコ2」のアサルトペイン
    • イラストリクエストで作成
  • 主な使用画材
    • 透明水彩
    • ムーランドゥロワ紙(廃盤)
    • クリップスタジオ(ラフ作成)
    • インクジェットプリンター(下絵出力)

作画過程

ラフ~線画作成

昔から何度か描いてるキャラなので、今回はどういうテーマにしようかな~と構図に迷う。

あれこれひねってストレートに「元デザインにあるカッコよさ、ソリッドさ」を出せたらいいなと構図を出す。

俯瞰構図で片目隠し、からの鋭い目線で見上げる感じ。
あと胸元やへその露出を元絵より大きくとって、黒い服装との対比になればいいなと。

ざっくり構図が決まったので、3Dポーズ人形とかもあててバランスを取る。
複雑なポーズではないはずなんだが、こういうポーズほど深く考えずに進めると
あとで致命的なバランス崩れが出てくるので慎重に…。

線画を描く。
背景どうしようかと迷ったけど、服装デザインから拾って鎖をじゃらじゃらつける。

色ラフ。
向かって左上を明るく、右下に行くほど暗くして、画面の中でもメリハリをつける。

明るいところは胸元が一番面積が広くしてどっきりさせて、
暗いところに目線を移動すると太ももがドバーンと出ててまたどっきりするみたいな
視線誘導計画を立てる。

着色

紙に線画を印刷して、画板にガムテープで張り付ける。
このガムテープは水張りもどきです。一瞬ふにゃふにゃするけど、乾かすとピンとなる。
もっと大きい絵だったらちゃんとキャンバスに水張りします。たぶん。もう何年もしてないけど。

手前の大きな鎖は色を付けたくなかったので、この段階でマスキングインクを塗る。

インクが乾いたところで背景塗る。
使ったのはミジェロの「バーガンディレッド」。透明感が高く、一色で濃淡が出せる色なので
画面左上を淡く、右下を暗くなるように2~3度重ね塗り。

背景が乾いたら人物の下塗り。今回の肝というか、試してみたかったのがこの箇所。

コンポーズ色をそろえて、顔⇒上半身⇒下半身の順番にグラデーションを置く。
今回は細かい個有色を置くのではなく、全体に大きな陰影を置いて仕上げていくイメージです。

使ったのは、濃いところから
ライラック(ホルベイン)⇒ペールウィステリア(ターナー)⇒シェルピンク(ホルベイン)⇒ベビーピンク(クサカベ)。
国産メーカーのコンポーズ色は「ちょうどいい」と感じる色が多くて助かる。

隣の細い紙は、試し塗りに使ったやつ。この時点でかわいい。

全体が乾いたら固有色を塗っていく。

紫パーツを塗っていく。

シュミンケ「キナクリドンパープル」をベースに
インディゴ(マイメリブルー)を混ぜて再度を落とした色を画面右下に
左下は原色+ぼかしで塗って淡くする。

黒パーツを塗っていく。

ミジェロ「シャドウバイオレット」とQOR「カーボンブラック」を混ぜて塗っていく。
ここも左上を明るく、右上を暗く……だけど、それ以上に人物や衣服の立体感を出すこと意識。
腕や肩はでっぱってるか所を明るくする。

顔にも大きく影を入れました。

どんどんパーツを塗っていく。

帽子は一番光源に近いので、上面は大きくざっくり白くする。
側面はそのギャップで黒くして立体感を出す。

トゲトゲやリングはインディゴ(マイメリブルー)で陰影を出す。
金属っぽくみえるように、陰影は極端にする。

髪の毛は帽子の影を濃くはっきりいれて、顔の影と地続きにする。
使ったのは、QORのウルトラマリンバイオレットとウルトラマリンピンク。
他社と比べてもかなり特徴的な色で「あんまり使う機会がなさそうだな」と思ってましたが
今回のような赤ベースの絵だとバシッとはまる気がする。

この辺で各パーツにさらに陰影を入れていく。
細かいところにパキッとしたぼかしのない影をあちこちにいれて、印象を引き締める。

鎖やアクセサリーを塗る。
今回は昔買ったシュミンケのキラキラ絵の具(とても高いのに一度ひっくり返して半分くらい無くなってる)を使ってます。
ラメが細かすぎて、一見すると普通の絵の具にみえるけど、角度を変えるとしっとり光って品がある。

細々整えて、スキャンして完成~。

振り返り

  • 全体の陰影設計が上手くできた気がする。一番目立ってほしい顔周りを印象的にできたのでは。
  • 背景はもう一段階影を暗くしても良かったかも。色彩設計の時にパターン作っておくとよかったね。
  • キラキラ絵の具がスキャンになるかどうかは期待するな(2回目)

以上でーす。

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