【水彩メイキング】トランスペアレントオレンジとインダンスロンブルーで陰影をつける

作画工程・メイキング

この絵の作画の過程と考えてたことをメモしていきます。

出展 Tumblr

基本情報

  • 概要
    • ゲーム「ライザのアトリエ」シリーズのライザ
    • イラストリクエストで作成
  • 主な使用画材
    • 透明水彩
    • ウォーターフォード紙
    • クリップスタジオ(線画作成)
    • インクジェットプリンター(線画印刷)

作画過程

ラフ~線画作成

「ライザのアトリエの、ライザ」というお題をいただいたときから
「OK、太ももね!」と把握し、できるだけ足の入る構図を探す。

この辺の工程はパソコンからクリップスタジオ使っています。

ラフ1
ラフ2

ボディライン以外に、明るい性格のキャラクター性や空気感を表現できそうな構図としてラフ2を採用。

構図をもとにパソコン上で線画作成する。
パーツが細かいので漏れがないようにと注意をするも、めちゃくちゃ漏れてる(腰のベルト)ことに気づいたのは結構あと。くじけない心。

線画

線の強弱とか、自分の中ではいい感じに描けたんじゃないかな~と。

胸元のラインや足のリボンなど、細かくて色塗りするの大変そうだったので
この段階で塗りつぶした。

着色計画

着色計画は、夏の夕暮れ、湿度の高い空の下で、正面から夕陽を受けているイメージ。
画面下はすでに日陰に入っているくらいの時間帯を想像して、ぐっと暗くする。

出来上がった線画を水彩紙にプリントして、一晩乾かして着色に入る。

最近買った顔料プリンターはインクが滲まず水彩に便利なんですが、分厚い水彩紙は給紙が通りにくく、この絵も何度も失敗しながら印刷。正直この段階が一番つらい。

着色

線画を印刷した水彩紙をなんちゃって水張り。ボードにガムテープで四方を張り付けるだけ。

しないケースも多いけれど、今回は画面全体に色を塗る計画だったので、
ガムテープ張りだけでもやっておくと、紙がたわまず後が楽かなと実行。

ざっくり戦略。

1)キャンバス全体にトランスペアレントオレンジ(シュミンケ)と
  インダンスロンブルー(ダニエルスミス)のグラデーションを塗る。上をオレンジ、下をブルーに。

2)乾いたら背景の空を塗る(上画像は空を塗った後)

トランスペアレントオレンジ(PO71)と
インダンスロンブルー(PB60)で作るグラデーションは、
以前シュミンケのメーカーの人に教えてもらった組み合わせ。

PB60は各社いろんな名前で出ていて、正直トランスペアレントオレンジがあればブルー側は何でもいいと思う。

ただ今回使ったダニエルスミス社のインダンスロンブルーは
PB60群の中でもかなり赤みが強く、この用途には若干使いづらいかもしれない。
単色では好きな色合いだけど、もっと青い方がこの技法には向いてる。

なので、次回やるなら同じ顔料でより青みの強い、シュミンケの
デルフトブルーかダークブルー(どちらもPB60)を使うと思う。

オレンジとブルーの組み合わせを使ってさらに一段濃くする。
この段階ではほぼオレンジだけ使って、服のすそなどにだけブルーがほんのり入ってる。

上半身には横からの夕日の強い光があたって、下半身は地表の影が差してるイメージ。

太ももにはテカリ演出させたかったので、マスキングインクをぽつんと落とす。

まだまだオレンジ+ブルーの組み合わせを使って、今度は陰影をつけて立体的に。
だんだん終わりが見えなくなってきて、どこまでやればいいのか混乱してくる。

「とはいえこれで固有色を塗るときは陰影つけんでええやろ」と考えている。
全然そんなことなかった(フラグ)

固有色を塗り始める。

色薄い!
思ったより置いた色が発色してくれなくて、何やらもんやりした絵になってしまう。

もともと色を薄めに塗ってしまう手癖があるのと、
下地を塗った影響で個々の色の区別がつきづらくなったのかも。

この後なんども固有色を塗り重ねる。使う色も、半透明~不透明を意識して使う。
そうすると下地の陰影が隠れて弱くなるので、結局また影も塗る(フラグ回収)

ほぼ完成図。あんまり細かく過程を取ってなかった。

特に、黄色い上着とショートパンツ、革製品、髪色と帽子を中心に色を塗り重ねた。
全体をこってり塗るのも違う感じがしたので、重量感のある物体をピンポイントに濃くする。

さらに、茶色ペンで人物外側の輪郭線を縁取り&薄い紫色ペンで影部分をハッチングして
絵の具だけでは出せなかった陰影を出す。

白ペンでハイライトなどいれる。

スキャナーで取り込んで、パソコン上で調整して完成。

振り返り

  • トランスペアレントオレンジとインダンスロンブルーのグラデーション楽しい~
    • 配合バランスによって暖色グレー⇔寒色グレーを無限に生み出せるので、無限に楽しめる。時間は無くなる。
  • 固有色が淡くなってしまいやすいので、意図したものでなければ頑張って存在感を出す。
    • 色を塗り重ねる。
    • 不透明色中心に使う。
    • 絵具以外の、ペンやマーカー、インク類も併用する…など。
  • 線画が特にお気に入り。
    • とはいえ人体バランスはもうちょっと詰める要素はあったかも。
  • 背景、もう少し何かおいても良かったかな~
    • グラデーションの色味は気に入っている。

以上でーす。

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