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「習慣の力 The Power of Habit」を読んでいます

数日前にネットで紹介記事を読んで、「習慣の力 The Power of Habit」が気になって電子書籍で購入し、ちまちまと進めて第一部をまず読み終えました。「ためになる」という以上に、「そういうことあるよねー、あるある」力が強く、非常に飲み込みやすい本です。

脳機能に重大な損傷をもったせいで自分の家の周辺地図をどうしても覚えられない人でも、散歩という習慣では道に迷わず家に帰ってくることができた。それを応用して、記憶障害を持ちながらも、日常を大過なくこなすために習慣を備えさせる……という感じで、習慣の力を使って「人を変えた」実例と、それに対する研究者のアプローチを書いています。

ダイエット成功や依存症解消への活用事例はもとより、商品販売のアピールや、負け続きだったフットボールチームの強化を目指すなど、様々な分野で困難を乗り越えてきた事例が紹介されていて、なんというか、半ばノンフィクション小説のよう。

読み終えた第一部はこの「習慣」の発見と活用例の紹介なんですが、その最後は「一度は備わったはずの習慣が崩壊するとき」、ようは一度は構築されながら挫折した事例の分析です。挫折にいたる大きな要因として「大きなストレスにさらされたこと」を研究者たちは突き止めます。

アルコール依存症から脱したはずなのに、家族の苦難を目の当たりにして再び酒におぼれた。負の習慣から脱して強豪チームになったはずなのに、リーグ決勝戦では緊張のあまり習慣を捨てて窮地に陥ってしまった……などなど。大なり小なり身近にありそうな問題なだけに、読んでいて身につまされます。

そんな中でも再び良い習慣を取り戻すための方策とは?

つくり替えた習慣を身に着けるには、「変われる」と信じる必要がある。そしてたいていの場合、それはグループの助けによってのみ生まれる。 「『習慣の力 The Power of Habit』 第3章 習慣を変えるための鉄則――アルコール依存症はなぜ治ったのか」より
(前略)「自分はニコチンから距離を置くことができる」と信じるのを助けてくれるコミュニティをさがして、挫折しそうになったときにそのグループを活用するのだ。 「『習慣の力 The Power of Habit』 第3章 習慣を変えるための鉄則――アルコール依存症はなぜ治ったのか」より
事実は明白だ。習慣を変えたければ、代わりのルーチンを見つけること。そしてグループの一員として変わることに専念すれば、成功率は劇的に上昇する。(中略)たとえ、それがたった2人のコミュニティであっても同じだ。 「『習慣の力 The Power of Habit』 第3章 習慣を変えるための鉄則――アルコール依存症はなぜ治ったのか」より

このくだりを読んで、ああ本当にその通りだな、としみじみ腑に落ちました。とてもとても身に覚えがある。

そもそもこの本が気になったのは、いま自分の中でも最大級のページ数が必要な同人誌を描いていて、これがなかなか手間も時間もパワーもいることで少しずつでいいから何とかして描き進めたい、だが自分の意志薄弱さは知っているのでどうにかしたい、という意図で読み始めたものでした。

創作活動に身を置くと単純に手間と時間がかかって大変なのに、いよいよ公開が近くなると緊張感が高まり「つまんないじゃないかと思い悩んで筆が止まる」とか、自分で締め切りを決定できる同人誌なら「もう諦めていいんじゃないか」とか、そういった「やめていい理由」で頭がいっぱいになること、そうなっている人にいきあたることが本当によくあります。

そんな時には「あなたの本を待っている人がいる」という反証もよくみますね。本当に待ってくれる人がいるかどうかはともかくとしても、この長くて地道な制作の果てには「誰かがいてくれる、と信じること」は、萎えそうな創作意欲を大きく奮い立たせてくれると、皆がなんとなく知っているから生じる言葉だと思うのです。

もしくは同人誌即売会やSNSといった公開の場を「誰かがいる場」に置き換えてもいい。直接誰かと面会する予定はなくても、たくさんの誰かがいる空間への参加を目標にする。確約なんかなくても誰かがそこにはいるんだと、信じることを意欲に変えて、自分はこの筆をとらねばならないと思い込む。

冷静に考えると本当にか細い根拠だなあと思うんですが、幸いなことに今の時代はネット環境さえれば、フォロワー数なり閲覧数なりという形でそこに「誰か」がいるのはすぐにわかる。いまいなくても、過去に見てくれた「誰か」がいたことを思い返す。その数が多いとか少ないとか、その数がペイラインに達しているとかいないとか、ひとりひとりの興味関心の度合いが高い低いとかいう問題もあるんですけど、それは全部投げ捨てて。とにかくなんでも「誰か」がいるのは以前よりずっとずっとわかりやすくなっているので、それを「誰かがこの先にいる、と信じること」につなげていく……これは本当に頼りない細い糸のようなものだけど、存外、長くて地道で孤独な制作期間を支えるエネルギー源なんだなと、そう実感する機会が増えました。

「習慣の力 The Power of Habit」では、「習慣」を変えることとは人(自分)を変えることと定義しており、実際に習慣と脳機能の関係だとか、実例に基づいた効率的な変え方だとかを詳しく丁寧に描いています。まだ読み進めて3分の1ほどですが、とても充実した一冊でした。いや、まだ途中なので、一冊です、だ。

 

記事冒頭の写真は先日届いた「muji diary 2018」です。

商品コンセプトから“忙しくて最近絵を描けてない人や、毎日描き続ける習慣をつけて、描くことへのハードルを下げたい人に向けて作られました。“とあって、この本にぴったりなアイテムだなあと思って写真を一枚。丸1つでいいから続けられないかな、と思ってちまちま続けています。

南科そう(ナンカソウ)

デジタルにも「アナログ感」なるものを追い求めるオールドタイプヒューマン。

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